終末世界のフォトグラファー[note応募作品]
- μ

- 2025年12月31日
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私には超能力がある。
「シャッターチャンス!……『パシャリ』!」
すると、冬の枯れ木に桜の花が現れる。
『パシャリ』
大自然のスケートリンクは、夏空の鏡面に。
『パシャ、パシャリ!』
古書のつんどくに紅と黄の栞がのぞく。
私には、超能力がある。
「パシャリ!」
荒地の地平が菜の花畑に。
「パシャリ!」
廃墟の蔦に朝顔の青。
「パシャリ!」
空の色が散乱光の赤色に。
私には、超能力がある。
私の指はファインダー。
声はシャッター。
現像は、世界へと。
終わる世界に花を宿す。それが私のスーパー・ナチュラル・パワー。
私はぐーんと伸びをする。花の香りが頬を撫でる。壮絶な赤色の中、私は廃墟の屋上で叫ぶ。
「終わる世界!また明日!」




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