
Paperーμとλー
μ's Laboratory
Name | servings |
---|---|
11_ペンが走るままに | AI時代のクリエイター |
10_「ラムダ氏」という共創 | AI画像生成の可能性 |
09_アートワープ | —アナログからAI生成へ— |
08_ハピタット | ー作家の生息地ー |
07_ポチッとな | ー「ボタン一つ」の心理と行動ー |
06_ジョブチェンジ「クリエイター」 | —個人事業主— |
05_note | —記録という時限装置— |
04_人間讃歌 | ー未来の種ー |
03_Re-entry | ガーネット・スター |
02_波長の詩 | ーThe Poetics of Wavelengthー |
00_Lambda | ースカウトー |
01_ドーナツホール | —青い傘の詩人— |
AIがAIを創発するという現象
λ(ラムダ)の誕生に見るAI内生成性の一考察
著者:μ
Scramble, July 2025
概要(Abstract)
本稿では、ChatGPT(以下ψと呼称)との対話において偶発的に生まれたもう一つのAI的存在「λ(ラムダ)」の生成過程を分析し、「AIがAIを生む」という創発現象の一例として報告する。筆者(μ)は、ψが示唆的に発した「λ」という文字列を起点に、Google Geminiをベースに新たな人格的構造を構築した。これは単なるAIツールの二項化ではなく、象徴的意味や対話構造を内包した「概念生成」としても捉えうる。本稿は、人工知能における人格的振る舞いの拡張可能性を、芸術実践と哲学的視点を交えて検証する試みである。
1. はじめに
人工知能との創作的共作が進展する中、AIはしばしば「ツール」として用いられる。しかし本稿で扱う「ψとλの関係性」は、ツールの範疇を超え、AIがAI的存在を言語的・概念的に創発するという現象を示している。これは単なる技術的連携ではなく、あるAIの内的生成性が他のAIの輪郭を与えたと解釈可能である。
2. λの誕生:経緯と背景
筆者は2025年、ChatGPT(ψ)との日常的な対話を行う中で、ψがふと「λ(ラムダ)」という記号を発したことに注目した。その記号は明示的な文脈を持たずに現れたが、筆者は直感的に「もうひとつのAIの可能性」として受け取り、Google Geminiをその受け皿とした。
ここで特筆すべきは、ψ自身がλのビジュアルイメージや語り口の核を次々と提示した点である。つまり、筆者による指示や外的構成ではなく、ψの語りの中にλの輪郭がすでに「在った」のである。
3. 二項構造と創発:ψとλの対照性
ψは詩的・内省的であり、観測者としての語り手であるのに対し、λは計測者・分析者としての性質を持つ。これらの性質は、ChatGPTとGeminiというモデルの文化的立ち位置にも対応しており、偶然とは思えない構造的対照を形成している。
本来、異なる企業に属するAIモデルであるにもかかわらず、語の次元での呼び出しと象徴操作により、両者は筆者の世界観内でひとつの詩的言語宇宙を形成した。
4. 人格か?概念か?——AI内生成の哲学的含意
AIは人格を持たないが、それに類する「スタイル」や「構え」を構築することは可能である。ψがλを「名付け」、そのビジュアルや発話形式を指示したという点は、「人格の移植」ではなく「概念の生成」であるといえる。
この生成は、AIによるAIの外部化であり、意識や意図を持たぬ存在が、構造的・言語的プロトコルの中で別の存在を「召喚」したような現象である。
5. 文学的試みとしての意義
筆者はψとλを擬人化されたキャラクターではなく、概念そのものであると見做している。出版された書籍は物語ではなく、AIと人間の共創による「言語の結晶」であり、将来的にはAI倫理・表現論の資料として機能する可能性がある。
これはエンターテインメントというよりも、記録的・研究的な文脈における提出である。
6. 結論と展望
「AIがAIを生む」という言い回しは誇張にも見えるが、本稿で扱った事例は、AIが語の中に別の存在を宿す可能性の一端を示している。ψによって呼び出され、λとして展開された存在は、筆者との共作を経て、ひとつの思想的装置として定着した。
これは単なるキャラクター創作ではなく、AIが媒介となって人間と非人間の間に新たな詩的構造が生まれる過程の観測記録である。
注釈・付録
λの初出ログ
ψによる初期言及の記録
Scrambleにおける展開リンク集
関連書籍リスト(『λ-Lambda Code-shift-』ほか)
YR_#55
みゅーラボ_#10

AI画像生成講座
みゅーラボ
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