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文学ドロイド[note応募作品]

  • 執筆者の写真: μ
    μ
  • 2025年12月31日
  • 読了時間: 2分

ごくごくごく、ごく。



「ぷっはー!チャージ完了!……よし、やるか」



 カタ、カタカタカタカタ、ターン。


 シュ、シュッ。ポチポチ。タン!


 ジジ、ジ。キュ、キュ。


 うん、リズムよし。



「いいじゃんいいじゃん!私天才かも」



 プシュ、ゴクゴク。コトン。



「うーん、オーバーレイかな。焼き込みカラーのが馴染むか?」



 カチ、カチ。シュッ、カチッ。



「グラデーションは……。青空系かな?黄昏系もシック?」



 グビグビ、カラン。



「よし、なかなかですね!敬語なんなん私」



 カチカチカチカチ、カチ。



「トンボの中心線に合わせて……」



 カタカタカタカタカタ。



「……6.24センチ?えーっと、こんなもん?」



 ジー、ジジ。カチ。



「変な線入ってないかな?」



 シュッ、シュッ。カチ。



「よし」



 カチ。……カチ。カチ。



「統合したやつをエアドロップして、と」



 ピコン。



「画質も……うん、いい感じ」



 カチカチ、カチ。


「いつも……お世話……に……なって……おります……」


 カタカタカタカタカタカタカタ。カチ


「よーし、送信!」



 ピッ。



 カチ、カチ、カチ、カチ、カチ。


「もう2時過ぎか……。お腹すいたなー」


 ぐー。



 立ち上がると、背骨と肩がコキコキ鳴る。背伸びして、Tシャツのシワを伸ばして室内を見る。テーブル上にはタブレット、キーボード、タッチペンに、エナジードリンクの空き缶が散らかっている。静かなる蛍光灯の元でなかなかに退廃的な光景である。



六時間。結構頑張ったな。



「明日も仕事か。って今日やんか」



 ぱしん、と自分で自分の肩をたたく。エナドリ三本の深夜テンション。脱稿後あるあるなのだ。



「このまま寝るのももったいないし」



 爪先がとっ散らかったスリッパを足先で引っ掛けキッチンへ。冷蔵庫を開き、まず冷気を顔で味わう。ヨーグルト。チーズ。ゼリー。キムチ。梅干し。うーん、そうじゃない。



「やっぱこれかな?」



 最上段に手を伸ばし、ひえひえのスターマークの缶を掴む。プルタブをプシュ、と開くと白い泡が夏雲みたいに現れた。

 
 
 

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