top of page

面会室の伊奈帆とスレインーガーネット・スターー

  • 執筆者の写真: μ
    μ
  • 2025年7月26日
  • 読了時間: 1分

「彗星の色?」


 スレインは、おうむ返しで伊奈帆を見つめた。彼は、テーブルの上のチェスピースを指先で転がしながらこくんと頷く。


「すれすれを通って行った。その時の、カタフラクト装甲を掠めていった氷の色に似てると思う」


 この朴念仁にしては柄にもなく、詩人みたいなことを言う。


「それが君のやり方なのか?瞳の色を、星の色に例えるのが」


「やり方?なんの?」


「こっちを見てみろ。界塚伊奈帆」


「見てるけど」


「そうじゃない」


 蛍光灯が明滅した。ロールシャッハのように抽象化される影は残像。


 そうして見えた星の色。ああ、なるほど。


「太陽の1000倍か」


「どの星のこと?」


 伊奈帆の問いにスレインは口を歪めて肩をすくめた。

 
 
 

最新記事

すべて表示
中学生イラストレーター[note応募作品]

「ご飯よー」 「はーいー!」 「三回目よー?」 「はーいわかってますー!!」 「そうめんすっかり伸びちゃってるわよー」 「ぬるいー?」 「氷はあるけどねえ」 「もうちょいで行くー!」 「母さんそろそろパートなのよー」 「片しとくからー」 「そー?じゃあお願いねー」  パタパタパタ、パタパタ、バサ、ガラガラ、ガラ、ブーン。 しーん。 「……」 「……ちゃうなあ」 「……あっ」 「……あ〜」 「……」

 
 
 
日曜朝8時半「プリュム・アン・ヴェール」[note応募作品]

『ーー青いインクは海の色?空の色?それとも誰かの涙の色?』  かち、きらっ、しゃきーん! 『白い世界にブルーの祝福をーープリュムアンヴェール・シエル!』  ちゃっちゃら、ちゃーん!ちゃちゃっ! 「うわすご!!ぬるぬる動く〜!!」  40インチテレビ画面の両サイドを鷲掴みにし、食い入るように画面を見る。色がついてる!動いてる!喋ってる!! 『世界から色を奪うなんて許せない!』  戦闘シーンは空中戦。

 
 
 
夏の桜の樹の下で[note応募作品]

ーー桜の樹の下には屍体が埋まっている!  なんて、そこはかとなく不吉なことを考えながら、私は校舎の時計を見る。  15:39ーー待ち合わせまであと6分。 「桜の樹の下には屍体が埋まっているーーああ、だめだめ、私!しゃんとして!」  ミンミンと鳴く蝉の声。私の声は掻き消える。深緑の葉を茂らせた大木の幹に右手を預け、深呼吸。汗がこめかみを伝った。  8/31に、私は桜の下にいる。待ち合わせの30分も前

 
 
 

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page