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「ただいま、モリー」


暗い部屋。照明をつけると、パッと白く光が満ちた。銅製のモリーの頬が、室内灯を暖色に照り返す。


「キャシーは無傷で火星に帰ったよ」


レニは冷蔵庫から、ミント・ウォーターを取り出す。その場で封を開け一口。清涼感が食道を滑り落ちる。


「インディーが待ってる、って言ってた」


パイプ椅子は、いつもの窓辺ではなくテーブル近くにあった。レニはウォーターボトルをテーブルの角に置き座る。


「私も仕事の帰り道に、そう思うことがあるよ」


モリーは微笑んでいる。目を微かに細め、今にも何か言いそうで、でも聞くまで何も言わない感じに、閉じた唇は柔らかに弧を描いている。


キャシーは、モリーが私に似てきた、と言った。人からすれば、私はこんな風に笑ってるのか。

こんな風に、笑えるようになったのか。


Pi.


—Are you free this weekend?


リックのメール。今日は水曜日の夜。アドレス交換から3日後だ。


—I'm free on Saturday.

Pi.

Pi.

—10 O’clock. I’ll go to your station.

Pi

—Route 6 East I-1


Pi

—Thank you for the Retriver girl.


「レトリバーって?」


レニは思わずモリーを見つめた。モリーは目を丸くして、首を角度にして15度ほど左方向に傾けた。

わからないけど、何かの動物かな。土曜日会ったら聞いてみよう。


—Sure. Cat boy.


Pi.


“Refill, Mory.”

“Sure. Retriver girl.”


La La Lu…

22_ パングラム・ハート#05

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