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「モリー。ただいま」

モリーはレニに顔を向け、ニコッと微笑み頷いた。レニは両目のウインクを返し、冷蔵庫からウォーターのボトルを取り出す。今日はスイカ・フレーバー。


さっきジェンに、ナオキからの就職祝いを配達した。魔改造のフローティング・カート。派手にデコった浮遊台車である。


『パスがないから、レニが届けてくれると助かる』


言う必要のないことをナオキが口走ったので、それをそのままジェンに伝えた。ジェンは、「そのうちみんなで、ステーションでランチしよ」とビデオを撮ってレニと共有。今度会った時、ナオキとナオミに見せる予定。


「ブタって何?って今日も聞きそびれちゃった」

レニは椅子に逆向きに座り、背もたれに腕を置いてウォッチで「ブタ」を検索した。

「かわいい……」

ぽよんとしたピンクのドウブツ。つぶらな瞳。鼻の形が面白い。

ーー偶蹄目イノシシ科ーー

ーー食用として広く飼育されるーー

ーーミニブタ、マイクロブタはペットとしてーー

ーー地球では、産業動物として家畜化ーー


ーーdomesticated animalーー


「野生であったものが、飼い慣らされて人間社会に適合すること……」


『善意のフルコースでブタになるのよ』


「へー。うまいな、ジェン」

レニはウォーターをごくりと飲む。スイカフレーバーはほのかな塩気があり、体に沁み入る感じがする。


『家族に見えるよ』


ナオキが言った。レニが「私とモリー、並ぶとどんな感じに見える?」と聞いたら。


ああ、そうだ、とレニは気づく。

アイスクリームを前に並ぶジェンとラピちゃん。

手を繋いで火星へ向かったキャシーとインディ。

手を振り別れ、スタスタと連れ立って歩くビゼンとウパラ。

フォトの中で抱き合い笑う、レイチェルとトピー。


思い返すと、家族のよう。


"Mory, refill.”

“Do you have any requests?”

“Song for family.”


Mory stands.

The copper hands hold a transparent steering wheel.


“The Wheels on the Bus."


Whistle.

11_スイカ色の窓#04

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