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「ただいま、モリー」


モリーはこくんと頷き、両目を細めて微笑んだ。レニはその場でくるりと1回転。出かける時はバタバタしていて、新しい服を下ろす喜びをまだ味わっていなかった。

モリーの瞳の黒水晶が、スカートの裾の広がりをきらきら映す。


うん。この服、いいかも。髪型も。


レニは”Central Tower”ロゴのショッパーから小箱を取り出し、封を開ける。現れたのは、容量250mlのマグカップ。動物の尻尾が持ち手というデザイン。

「これ、猫のしっぽ。かわいいでしょ?」

縞模様は狐色の濃淡。トラネコの尻尾だとリックが説明してくれた。

「リックは犬のしっぽよ。お揃いで買ったんだ」

光にかざしてみたり、両手で持ったり、逆さを向けたり。いろんな角度で見ていると、すぐ使いたくなってきた。

「これから、朝ごはんはあったかい飲み物にしようかな」

いつもウォーターばかり飲んでいるけど、お茶は好きだしコーヒーも飲む。朝から湯を使うのが、なんとなく面倒なだけ。

「コーヒーか、紅茶か、ホットミルクか……緑茶もいいなあ」

本屋で見た地球のお茶が思い出される。ビゼンの家で飲んだお茶は、匂いも味も濃くてとても美味しかった。

「コンビニに行ってくるわ」

そこまで良質なものでなくていいから、とりあえず明日の分を用意しよう。


玄関のところで振り向くと、モリーがひらひらっと手を振っていた。

27_ゴールデン・アップル#06

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