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「ただいま、モリー」
自室の扉を3日ぶりに開く。3年くらい留守にしていた感覚だけれど、窓辺の花は萎れてないし床に埃も溜まってない。壁際のモリーは、レニの声に顔を向けてちゃんと笑った。ブランケットも肩にちゃんと掛かってる。
レニはモリーのブランケットを外し、くるくる畳んで机に置いた。冷蔵庫からウォーターを取り出し、窓際のパイプ椅子に座ってぐびり。うん。美味しい。
「やっぱり家は落ち着くね」
モリーを眺めてそう呟く。黒水晶と銅で作られた、歌うオブジェ”モリオン・ガール”
チップ代わりに頂戴したが、その理由はうるさかったから。レニが弾薬補充のために呟いた”Refill.”に反応し、サイレンめいた歌声がフロア中に響き渡った。レニも動転してしまい、普段ならさっさと1人で逃げるところを、なぜだか担いで帰ってしまった。逃走経路が階段とエアカーで良かった。
「あんたがヒトに見えたんだろうな」
瞬きをしない黒い瞳は、レニの輪郭を鮮明に刻んでいる。
絶唱する宝石女。
それに、多分何かが重なった。
「バーチャンが言ってたんだ。トリになれ、って」
その真意はよくわからない。でも、地球で鳥を見て、なんとなく感じたことはある。
鳥は飛ぶんだ。風の中を。たとえ一羽で、雨が翼を濡らしても。絶海の上、月のない夜であっても。
それでも、鳥は飛ぶんだ。
"Mory, refill.”
Mory stands.
Copper arms open like the wings.
She smiles.
“To fly, for free. Leni.”
El Cóndor Pasa.
13_A visit of Kaguya#05
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