top of page
これが風の音。
山道をドライブしつつ、レニはうっとりと目を細める。
ニューハイブリッド・カーの運転モードはオート。サイドウィンドウはオープン。地球の景色へ目を向ける。
これが木。
あれが鳥。
あれが、空。
ビゼン。
ワカバ。
地球の人。
ウパラ。
アン。
月のオブジェ。
エンガワで佇むウパラとアン。
そこに、ムーンバレーのレニの部屋、壁際のモリーの横顔が重なる。
ただそこにいること。
それだけで、世界が少し綺麗になる。
地球のどこかで、月の道具がただ日々を過ごしていく。
何も起こらず。
何も奪われず。
何も損なわれず。
ただ、淡々と暮らす。人間と。朝日と夕陽と、夜更けの蛙の鳴き声に包まれて。
「地球って、最高」
知らない音がある。
知らない匂いがある。
知らない温度と感触がある。
髪が靡く。髪の間を通り抜ける青い大気。
これが風。風の温度と風の音。
“Breeze is nice!”
次は、ウミを見てみたい。
13_A visit of Kaguya#04
bottom of page


