top of page
「ハーイ!あなたがレニ?ヨロシク」
「こちらこそよろしく。キャサリン」
「キャシーでいいよ」
「オーケー、キャシー」
月面都市ムーンバレー第1層ステーション宇宙港12番ゲート。レニは仕事として、客を一人迎えにきた。キャサリンはフォトの想像よりも幼く、そして普通っぽく見えた。
「ここが月かあ」
「ご感想は?」
「空気がキレイ!火星はどこも埃っぽい」
「ここは第1層だからね」
「レニん家は?」
「第3層6区。吹き溜まりだよ」
「へえー。アタシ、多分そっちの方が落ち着く」
褐色の肌が、荒野に吹き荒ぶ砂色の風を連想させた。アイスグリーンのショートヘアが、トロピカル・カラーのカジュアルファッションによく似合っている。
「キャシー。朝が弱いって聞いたけど、どのくらい?」
「レニなら大丈夫。強そうだから」
キャシーがにかっと歯を見せて笑った。年相応の笑顔は愛らしいが、通り名はスターレッド・キャサリン。
「家のもの、壊さないでね」
「レニが止めて。アタシ寝起きは別人だから」
腕の立つ、流れの売れっ子コンバータントだ。
10_火星の客#01
bottom of page


