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「あ、レニ」

「ナオキ、今日はキマってるね」

「だろ?僕の一張羅」

古着屋で4000ルカ、とナオキはウインク。

ナオキは小ざっぱりとしたグレースーツに、カーキのジャケットを羽織っていた。ギャルソン姿より、ずっと様になっている。


イースト・ノース街7丁目。

21世紀月面開拓時代からの建造物が積み重なって潰れたコンテナのような街並み。

その59番地に、ナオキの経営するセカンド・ハンド・ショップがある。

木や紙でできた骨董品の調度品や文房具。1世代前のウォッチや、アンティークなリニアバイク、カスタムされたミニマムカーなどが、位置を定めて展示されている。


「11:00と12:30に客が品物取りに来る。札があるから、番号で探して」

促されるまま、レニはレジの前に立つ。

「2時間頼むよ。この後予定は?」

「今日はフリー」

「商談が長引いたら延長するかも。遅くなる時は連絡する」

「了解」

ナオキはウォッチを操作しつつ、店内の物の配置をレニに伝える。

「レニ、ランチは?ある?」

「ない」

「パントリーのスナック、適当に食べていいから。ウォーターも」

「ありがと」

「じゃ、店番よろしく」

「いってらっしゃい」

リニアバイクが音もなく出立した。

ところどころ音が飛ぶ本物のレコード音の中、レニはレジの紙雑誌を慎重に捲る。

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