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Murasaki Back Then_Nest house#03

2246年

「バーチャン。ジェンよ。新入り」
「血の臭い。怪我してるのかい?」
「ナオキの血」
「レニ、ナオキを手当してやりな。ジェンとは、あたしが2人で話すよ」
「わかったわ。ジェン、バーチャンは目が見えないの」
「うん。わかった」
「後で部屋を案内する。バーチャン、お水いる?」
「今はいいよ。ありがとう」

パタン。

「いくつだい?」
「178」
「年だよ」
「あ。15」
「こっちにおいで。顔に触ってもいいかい?」
「うん。おばーちゃん、ここよ」
「とびきり美人だね」
「うん」
「男に追いかけられたかい」
「5人いた。脚が筋肉痛」
「間に合ったかい?」
「うん。ナオキくんが庇ってくれた」
「そうかい」

「ジェン。名前は?」
「ジェニファー」
「違う。まだ覚えてるだろ?」
「ジェニファー・ディーン」
「得意科目は?」
「数学」
「処女かい?」
「あたしのこと?」
「そうだよ」
「うん。そういうの、マジメなんだ」

「残酷な話をする。耳を塞いでもいい。どうせ見えない」
「あたし、ちゃんと聞くわ」

「頭のいい女の仕事は、3層にはないんだ」
「……そうなんだ」
「綺麗な女の仕事は、ピンからキリまで山ほどある」
「あたし、何かの仕事はできるのね?」
「どんな仕事だと思う?」
「夜職だよね」
「そう」

「6区では子どもが産めない。知っているかい?」
「知識としては、知ってたわ」
「なのに、6区の女は男と寝るんだ」
「食べるためだよね」
「ジェンは賢いね」

「この家にいる間は、襲われることはない。初めては、好きな男に取っとくんだよ」
「わかった。おばーちゃん」

「女の暮らしを、ナオミに教えてもらうといい」
「ナオキくんのおねーちゃん?」
「そう。仕事をするようになったら、ナオミと同じ場所にしなさい」
「そうする。でもレニは?女の子よ」
「レニは、女の仕事はしない」
「……そうなんだ」

「あたしが死んだら、ポンプのスカウトが来るだろう。あの子は1人で生きていく」
「でも、女の子だよ?」
「そう」

「女が1人で生きるためには、3層ではポンプになるしか道はない」

「でも、望んで1人になるわけじゃない」

「誰にも傷つけられないためだ。……でもね」

「ポンプでも、恋をする。好きな男と暮らしたいって思うんだ」

「ジェン。レニの女友だちになってやってくれないかい?」

「まかせなよ、おばーちゃん。あたし、レニが大好きだもん」

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