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海。


静かな海。

晴れの海。

雨の海。

モスクワの海。

泡の海。


僕の知っている海。


ウミ。


僕の知らない地球のウミ。


“Refill.”


メスシリンダーのようなアクアリウム。

底面からの発光は南国のウミを模している。


緑青の脚が水を蹴る。

青錆の身体が斑らに光る。

長い髪が放射状に広がる。


左右の踵に埋め込まれた大粒のターコイズ。


“Would you like to go out?”


唇からバブルが沸き立つ。


ガラスに隔たれ、声は届かない。

届いていたとしても、意思の疎通は不可能だ。


生きている。僕には、人間にはそう見えるだけ。


ジュエレッタを見ていると、お伽噺を思い出す。

脚の代償に声を失った異形の姫。


「ウミは自由。地球を知らないムーンチャイルドの空想だろうか?」


答えはない。

02_人魚の踵 #01

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