Candy Bar [N_Back Then]_メインバーテン
2248年11月。
6区イーストWエリア"キャンディ・バー"内スタッフルーム。
「採用」
「わーい!はやーい!やったねナオキ!」
「いや、早いっつっても早すぎだろ?僕、まだ挨拶もしてねーっすよ」
「ダウンサイドの悪ガキコンビの片割れだろ?知ってるよ」
「へー。ナオキ有名人じゃん」
「それにしたって……」
「ジェニファー、ちょい外出てろ。っつーか仕事しろ。時間だ」
「はーい」
パタン。
「俺はサイモンと悪友でよ。今日の昼間あいつと店で飲んでたわけ」
「あ、ヤブ医者さんの」
「昨日、ダミアンが取り巻き3人に担がれて泡吹いて来たって」
「ああ」
「牛乳入ったタッパー出してきてな」
「あ、素直」
「イチゴ牛乳?って思って開けたらよ。いやーまさか。大爆笑だったと。思い出し笑いしちまって、針を持つ手が震えたわ、ってゲラゲラ笑ってやんの。ヤブだよなあ」
「くっついたっすか?」
「一応な。でも、使いもんになんねーって」
「ふーん」
「何で切った?」
「包丁」
「捨てたか?」
「台所の棚ん中」
「この店に置いとけ。揉め事あったらそれを出せ」
「いいんすか?」
「おうよ」
「誰だって、ちょん切られたくねーからよ」
「わかった。カウンターに置いていい?」
「おう。この店はイーストの結構奥だろ?地元の人がいっぱい来るが、そこそこ荒っぽいんだよ」
「用心棒がバーテンダーの主な仕事だ。ドリンクなんか適当でいい。女と子どもを死ぬ気で守れ。なんかあったらぶちのめせ」
「へへっ、まかせなよ。店主さん」
「マックスだ。好きに呼べ」
「これからよろしく頼むよ、アニキ」
「頼りにしてるぜ、ナオキ。今日から入れるか?服はロッカーのやつどれでも使え。靴は何でもいい。名札はこれだ」
-Naoki-
「わかりました」
「あとよ。お前の知り合いで、腕の立つやつ誰かいねーか?いたらスポット頼みてえ」
「うーん。覚えとく。アニキの許可いる?おれが勝手に決めていい?」
「おめーに任せる。気が向いたら名前くらいは教えてくれ。今日から頼むぜ。メインバーテン」
「Certainly, sir.」
ーーパタン。
「あーっ、ナオキ!キマってるじゃん!かっこいー」
「へへっ、サンキュー。今日ねーちゃんは?」
「ナオミは8時から。もうすぐ混むねー」
「ドリンクって何作んの?」
「ハイボールだけ。あとはボトルをコップに移すんだ」
「超簡単。誰でもできるな」
「そーだよー。……あ、それ」
「アニキがここに置いとけって」
「ふーん。家の台所に置いとくよりいいね」
「だな」
「あたしバトル見たかったなー」
「ははっ」


