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17_ 縁の海のウィルオウィスプ#04

「光るジュエレッタ。なるほどねー」
「ジェニーはどう思う?ただのカイダン?」
「カイダンというよりは、悲しい童話だったね」
「童話?人魚姫みたいな?」
「そうね。似てるかも」
キッチンカーの屋根の下で、ジェニーとラピが並んで同じ方を見ている。雪。今日はウィンターウェザー。2人はお揃いのパーカーを羽織っていた。背中に大きくお店のロゴが入ってる。
アイスを買いに来るお客さんはいるのかな、と僕は少し心配になったけど、僕がいる間に3人もやってきた。みんな。体が大きいお兄さん。
そのうちの1人はストロベリー、チョコ、バニラの3段重ねを買って行った。ラピのローラースケートは、彼のプレゼントだったらしいと僕は理解した。
「ジェニーは、ラピが好き?」
「好きよ」
「それって、童話?」
「そうかもね」
「雪の女王?シンデレラ?」
「人魚姫よねー」
だったらあたしは王子様?それともお姉さんかしら、とジェニー。ラジエルは、意外と魔女かも?と考えたりした。
「僕も同じ。人魚姫」
「それ、アメくんのこと?」
「ううん。ターコ。泳ぐジュエレッタで、火星に行っちゃったんだ」
「そうなんだ」
ジェニーはパーカーのファスナーを上げた。雪は綺麗だけど冷たい。
「あの魔女、案外親切よね」
「うん」
「ジュエレッタは、泡になったりしないわ」
「うん」
「火星って、どんなところなのかしらね」
涙が出そうになったから、僕は上を見た。雪はどこから降っているのかな。ドームの天井はいつも光学スクリーンに覆われている。
「僕、行って見たい」
火星に。いつか。ターコに会えたらいいなと思うし、シャトルの窓から青い夕日を見てみたい。
「ラジエルさま、アイス食べる?」
「寒いから今度にする。またね、ジェニー」
「また来てねー」

Pipi.

“Hi, Leni. What’s up?”
“I’m okay. Jen. Are you open?”
“We are. Looking for a cat again?”
“Yes. Three cats this time.”
“Do cats like snow?”
“Maybe. Have you seen them?”
“Sorry. If I see one, I’ll let you know.”
“Thanks. I’ll come by later.”
“I’ll be here. See you later.”
“See ya.”

Pi.

「電気猫は、きっと雪が好きなのよ」
ジェニファーは呟く。ラピスラズリの瞳が新月の三日月みたいに丸くなる。

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