top of page

15_Moon rabbit#02

「お帰りなさい、ラジィ」
「ただいま帰りました。お出迎え感謝します、おばあさま」
マリアンヌはにこにことラジエルの頭を撫でた。力加減がこそばゆい。
「レイチェル様のご加減はいかがでした?」
「えっと……。僕と話している時は、とてもお元気そうでした。たくさん笑ってました」
「あら!そうなの?それは良かったわ」
よくやりましたね、えらいわ。そう言ってハグ。香水が少し強いが許容範囲、と鼻の代わりに目を瞑る。
「今日は疲れたでしょう。ジャン、この子に何か、甘いものを」
「かしこまりました、奥様。ラジエル様、こちらへ」
「おばあさま、ごきげんよう」
「いい子ね。ええ、ご機嫌よう。また明日の朝食でね」


「おばあさまは、毎晩どこへ行ってるの?」
「様々にございます」
「今日は?」
「ガニメデでございます」
「えっ、ホント!?」
「ホログラム会談を」
「なーんだ。ホントにロケット飛ばすのかと思った」
「じいやのジョークはいかがでしたかな?」
「ほら、真面目な顔して言うんだもんね」
ピピッ。
「さあ、お疲れでございましょう。お飲み物はいかがいたしますか?」
「アイスココア、ある?」
「クリームは?」
「いらないかな」
「チョコレート?ビスケット?」
「えーと、ショートケーキある?」
「もちろんでございます」
すぐにお持ちいたします、とジャンは部屋から出て行った。電子音はしたが、鍵は開いたままだ。
「この家の子って感じ。ね、アメ」
ラジエルはソファにぼすんと座って向かいに言った。インクルージョンの瞳に虹の雨が見える。

白(透過背景) .png

Privacy Policy

Cookies Policy

© 2025 μ Created with Wix.com

bottom of page