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14_幼年期の終わり#01

悪い人じゃないんだ。2人とも。

「立てるかい、ラジィ」
「はい。おじさま」
「スマートで素敵よ」
「ありがとうございます。おばさま」
「おばあさま、でいいのよ。ラジィ」
「はい、おばあさま」

僕は歩く。2組の両手がパチパチ鳴る。僕はくるりとターンする。拍手と歓声。4つの眦には涙まで浮かんでいる。

僕が踵を合わせて会釈をすると、ラファエルが駆け寄り肩を叩く。マリアンヌは僕を抱きしめ、何かの祈りの言葉をぶつぶつと呟いた。

うん。悪い人たちじゃないんだ。
ラファエル・ホワイトとマリアンヌ・ホワイト。
僕の後見人に名乗り出て、ミドルネームと衣食住を与えてくれた。それに脚も。頼んでないけど。

感謝すべき人たち。そんなの、子どもの僕でももわかる。

わかるけどさ。

「新しい脚は気に入ったかい?」
「はい、とても」
満面の笑み。少し、わざとらしかったかな。

「ラジエル・W・クリストファ。いい名だね。」
「はい、ラファエルおじさま」

こういうの、なんていうか。

「私たちは家族よ。ラジィ、困ったことがあれば、何でも言いなさい」
「ありがとうございます。おばあさま」
「ああ、なんて健気なの」

なんでもいいから、無性に蹴っ飛ばしたくなる。そのうち、サッカーをしたいって言ってみようか。それなら、いくら蹴っても大丈夫。

「僕、おふたりと家族になれて幸せです」

それは、まあ嘘じゃない。悪い人じゃないんだ。僕のことを助けようと、時間とお金をユミズのように使ってくれてる。うーん、ユミズって何だろ?とにかく、至れり尽くせり。

だけど。

「ラジィ。快気祝いに、新しいジュエレッタを君に贈ろう。ターコイズ・ガールの代わりだ」

こういうところ、ほんと無理。

「ありがとうございます。おじさま」

無神経って悪意よりも始末に追えない。

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