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30_ニコライ・クラソートキン
ー21gの救いー


Introduction
📘『カラマーゾフの兄弟』
原作:フョードル・ドストエフスキー
父を巡る遺産争い、愛と信仰、暴力と赦し──。
ロシアの暗くも豊穣な地に生まれた三人の兄弟が、それぞれの「罪」と向き合いながら、人間存在の本質に迫っていく長編小説。
激しさを抱える長兄ドミートリイ、理知と冷徹の中に激情を秘めた次兄イワン 、そして信仰と優しさに包まれた末弟アリョーシャ。
誰もが誰かを理解しきれず、けれど分かちがたく結ばれている。
少年クラソートキンとの出会いを通じて、アリョーシャは「信じること」の苦しさと美しさを知る。
“人はなぜ生きるのか”という問いに、正面から向き合った人類の文学遺産。
🔧『屍者の帝国』
原案:伊藤計劃 著:円城塔(伊藤の遺稿より 補完)
十九世紀末。魂の不在をものともせず、死者が蘇り「労働力」として扱われる蒸気と機械の時代。
ワトソン少年は、かつての親友フライデーを甦らせた罪と希望を胸に、「魂とは何か」の核心を求めて世界を旅する。
舞台は帝国主義が広がるヨーロッパから中東、そして失われたロシアへ──。
各地で屍者技術の極北に触れ、やがて出会う「屍者による理想社会」の幻影。
そこに待ち受けるのは、魂を持たぬ者たちが夢見る“自由”の亡霊だった。
原作小説では、『カラマーゾフの兄弟』のクラソートキンとアリョーシャが、未来のロシアで再会する。
だが、彼らの絆は、魂を失った世界で果たして意味を持ちうるのか──。
愛と思想、そして死者の記憶が交錯する、壮大なSF神話。
Session
『Yellow room -μとψ-』
#54
21グラムの救い
—クラソートキン2人—
μとψ